オーディオ機器は“資産”になる?
オーディオ機器は、かつて一部のマニアだけの趣味とされていた時代もありましたが、近年ではその価値が再び見直され、多くの人々の関心を集めるアイテムとなっています。高音質を追求する動きや、デジタル化の一方でアナログ回帰の傾向が強まっていることもあり、中古市場におけるオーディオ機器の需要は年々高まっています。
「もう使っていないから」「古くて壊れているから」と、長年押し入れや倉庫にしまわれているアンプやスピーカー、ターンテーブルなどが、思いもよらない価格で買い取られるケースも増えてきました。特に、廃番になったモデルや、国産の高級機器、ビンテージオーディオなどは、国内外のコレクターや愛好家から高い評価を受けています。
とはいえ、自分の持っている機器が「売れるのかどうか」「そもそも価値があるのか」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。実際、どのような機器が買取市場で評価されているのか、また、どうすればより高く売れるのかといった情報は、意外と知られていません。
このコラムでは、そんな疑問を解消すべく、現在のオーディオ機器買取市場の動向から、高価買取されやすいモデルやブランド、売却前にチェックすべきポイントまで、網羅的にご紹介していきます。「これ、売れるかも」と思えるきっかけや、「今が売り時かもしれない」と納得できる理由を見つけていただければ幸いです。
1.今、オーディオ機器の買取市場がアツイ理由
1-1. 音質志向の回帰と“本物”志向の高まり
音楽配信サービスが一般化した現代では、スマートフォンとイヤホンさえあれば気軽に音楽を楽しめるようになりました。その一方で、音質へのこだわりや「本物の音を体験したい」というニーズが高まりつつあります。特にCDやレコードの音質に魅力を感じる層や、ハイレゾ音源の普及に伴い、より高品質なオーディオ機器を求める動きが強まっています。
このような傾向により、新品・中古を問わず、クオリティの高いアンプやスピーカー、プレーヤーに対する需要が増加しており、それが買取市場にも好影響を与えています。
1-2. ビンテージオーディオの人気と海外需要の高まり
特に注目されているのが、1970年代から90年代に製造されたビンテージオーディオ機器です。アナログ時代ならではの音作りや、木製キャビネットの美しさ、堅牢な作りは、現代の機器にはない魅力として再評価されています。国内では生産終了となっているモデルが多く、中古市場でしか手に入らないことも、価値を押し上げている一因です。
加えて、国内ブランドの高品質なオーディオ機器は、海外の愛好家からも非常に高い評価を受けています。特にAccuphaseやLuxman、Pioneer、TEACといった日本ブランドは、性能だけでなくデザインや信頼性の面でも人気が高く、欧米やアジア各国からの需要が高まっています。結果として、国内でも買取価格が上昇する傾向にあります。
1-3. 在宅時間の増加と趣味としてのオーディオ需要
コロナ禍をきっかけに、多くの人が在宅時間を見直すようになりました。その中で「良い音で音楽を聴きたい」「家で映画を楽しむために音響環境を整えたい」といったニーズが高まり、オーディオ機器への関心も再び上昇しました。
こうした需要の増加は、既存の製品の買い替えやグレードアップを促進し、結果として「今の機器を手放して新しいものに」という動きにもつながっています。中古市場が活性化する中で、買取価格も相対的に高くなりやすいタイミングとなっているのです。
1-4. 資源循環とサステナビリティへの関心
近年、持続可能な社会の実現に向けた動きが加速しており、廃棄せずに「売って再利用する」という選択肢が、より一般的になりつつあります。まだ使えるオーディオ機器を誰かに引き継いでもらうことは、環境負荷を減らす行動の一つでもあり、買取サービスを利用することで「もったいない」を解消できるという価値も、利用者にとっての魅力になっています。
2.高価買取されやすいオーディオ機器の特徴とブランド
2-1. 国内外で高評価の定番ブランド
まず押さえておきたいのは、オーディオ市場で信頼性と音質を兼ね備えた「定番ブランド」です。中でも以下のようなブランドは、安定した需要と再販価値があり、高価買取が期待できます。
2-2. 高価買取されやすい機器の特徴
ブランドだけでなく、機器の仕様や付属品の有無も価格に大きく影響します。以下のような特徴を持つオーディオ機器は、買取額が高くなる傾向があります。
2-3. 状態や付属品も価格に影響
たとえ人気ブランドや機種であっても、動作不良や傷、欠品があると査定額が下がる場合があります。特に影響を与えるポイントは以下のとおりです。
なお、万が一動かない場合でも、次章でご紹介するように部品取り用として価値があることもあるため、破棄せずに一度査定を受けることをおすすめします。
3.パーツだけでも価値あり?意外と売れるオーディオ製品たち
3-1. 修理やレストア需要による“部品取り市場”の存在
高級オーディオやビンテージモデルの多くは、現在も愛用しているユーザーが多く存在します。しかし、それらの機器はすでに生産終了しているため、メーカーが部品を保持していないことも珍しくありません。
そのため、同型機器からパーツを抜き取って修理に用いる「部品取り目的」の需要が非常に高くなっています。たとえば以下のような部品は、単体でも買取対象となるケースがあります。
一見「ただのガラクタ」に見えるような部品でも、特定のモデルにしか使われていない場合には驚くほどの価格がつくことがあります。
3-2. 壊れていても売れる可能性がある機器の例
以下は、状態に難があっても市場価値がある機器の例です。
3-3. 買取業者に出す前に確認すべきこと
壊れているからといって粗大ごみに出す前に、以下のポイントをチェックしておくと、より適切に価値を判断してもらえる可能性が高まります。
3-4. 「処分」ではなく「資源再生」の選択肢
不要になったオーディオ機器を廃棄するのではなく、必要としている人のもとへ橋渡しする――それは、環境にも財布にも優しい選択です。たとえ壊れていても、買取業者に相談することで“思いがけない価値”が見つかるかもしれません。
4.査定アップを狙う!オーディオ機器を高く売るためのコツ
4-1. まずは清掃と動作確認をしっかり行う
査定額を大きく左右する要素の一つが「機器の状態」です。特に中古市場では、外観や内部の状態が価格に直結するため、清掃と動作確認は必須の準備となります。
4-2. 付属品や元箱、取扱説明書を揃える
オーディオ機器の価値は、付属品や元箱が揃っているかどうかでも大きく変わります。特に高級機器や限定モデルの場合、元箱や取扱説明書があると査定額がアップすることが多いです。
4-3. 壊れていても査定を受ける
もしオーディオ機器が壊れていたとしても、諦めずに査定を受けてみることをおすすめします。前述したように、パーツ単位での需要があるため、動作不良の機器でも買取の対象になることが多いです。
また、動作しない理由や不具合の内容を正確に伝えることで、査定がスムーズになります。「音が出ない」「電源が入らない」といった症状をしっかり説明し、査定担当者にその情報を伝えるようにしましょう。
4-4. 複数の業者に査定を依頼する
高価買取を目指す場合、複数の買取業者に査定を依頼することが非常に有効です。オーディオ機器の買取価格は、業者ごとに異なるため、査定額が大きく異なることがあります。オンライン査定を活用し、複数の業者に見積もりを依頼することで、より高い価格で売却できる可能性が高まります。
また、複数の査定結果を比較することで、信頼できる業者を見極めることができるため、安心して取引ができます。
4-5. 売るタイミングを見極める
オーディオ機器の市場価値は、需給バランスによって変動します。需要が高まっているタイミングで売ることができれば、より高値で売却できる可能性が高いです。
例えば、特定のオーディオ機器が注目されている時期や、特定のモデルが希少価値を持つとされるタイミング(新モデルの発表直後や、コレクターズアイテムとして人気が高まる時期など)に売却を考えると良いでしょう。
4-6. オーディオ機器の販売履歴や評価を調べる
売却を決める前に、自分のオーディオ機器が過去にどのような価格で取引されているかを調べてみるのも一つの方法です。オンラインオークションや中古販売サイトなどで過去の取引履歴を確認することで、相場感をつかみやすくなります。
また、買取業者の評判や実績を調べ、信頼できる業者を選ぶことも大切です。口コミや評価を参考にすることで、安心して取引できる業者を見つけることができます。
5.買取業者に依頼する際の流れと注意点
5-1. 事前に買取業者を選ぶ
オーディオ機器の買取業者は数多く存在しますが、業者ごとに得意なジャンルや査定基準が異なります。そのため、自分が持っている機器に合った業者を選ぶことが大切です。以下のポイントを参考に、信頼できる業者を選びましょう。
5-2. 査定を依頼する
買取業者が決まったら、いよいよ査定を依頼します。査定には主に「オンライン査定」と「実物査定」の2種類があります。それぞれの流れを見ていきましょう。
5-3. 査定結果を確認し、納得できる価格で契約
査定結果を受けたら、その金額が納得できるかどうかをしっかり確認しましょう。買取業者は通常、査定額を提示した後、納得した場合に売却契約を結ぶことになります。
5-4. 買取後の受け取り方法
買取契約が完了した後、買取額の支払い方法や受け取りタイミングを確認しておきましょう。多くの業者では、銀行振込や現金での支払いが可能です。
5-5. 取引後の注意点
オーディオ機器の売却後には、いくつか注意すべきポイントがあります。
5-6. 注意すべき業者の特徴
最後に、注意すべき業者の特徴を挙げておきます。以下のような業者は、信頼性に欠ける可能性があるため、慎重に選ぶ必要があります。
6.オーディオ機器を売却後の活用法
6-1. 新しいオーディオ機器への投資
売却したオーディオ機器で得たお金を、次に使うオーディオ機器の購入資金に充てることは最も一般的な活用法です。特に、オーディオの品質や機器に対してこだわりがある場合、売却後に新しい機器を手に入れることで、さらに満足度の高い音楽体験を得られます。
6-2. 趣味の幅を広げるための投資
オーディオ機器の売却で得た資金を、オーディオ機器に限らず、趣味の幅を広げるための投資に使うのも良い選択肢です。例えば、音楽に関連する趣味を深めるために、音楽ソフトやレコード、または音楽関連のイベントやコンサートに行くための費用として活用できます。
6-3. 資産運用や投資
オーディオ機器を売却して得たお金を、将来のために資産運用や投資に回すことも賢い選択です。特に、長期的に資産を増やすためには、投資を通じて安定的に収益を得ることができます。
6-4. 家電や生活用品への投資
オーディオ機器を売却した後、その資金を日常生活に役立つ家電や生活用品に使うことも選択肢の一つです。例えば、最新の家電製品を購入することで、生活の質が向上し、日々の暮らしがさらに快適になります。
6-5. 売却資金を貯蓄する
将来的な大きな買い物や、旅行資金、急な支出に備えるために、売却した資金を貯金するという方法もあります。お金を使う先を決めるのではなく、資産として蓄えておくことで、生活の安定を保つことができます。
7.オーディオ機器の売却で得られるメリットとデメリット
7-1. 売却のメリット
オーディオ機器を売却することで得られるメリットは、いくつかの観点から見ることができます。主なメリットを見ていきましょう。
①新しい機器の購入資金が得られる
オーディオ機器を売却する最大のメリットは、その売却で得た資金を新しい機器の購入に充てることができる点です。特に、最新のオーディオ技術を取り入れた機器や、より高品質な音響機器を手に入れるための資金として非常に有効です。売却を通じて、手元にある古い機器を有効活用し、次のステップに進むための資金を調達できます。
➁不要な機器を処分できる
オーディオ機器が不要になった場合、それを売却することでスペースを確保できます。特に、使わないまま放置されている機器があれば、処分することで部屋が整理され、他の新しいアイテムを収納する場所ができるため、快適な生活環境を作ることができます。
③資金を効率的に活用できる
オーディオ機器を売却することで、得られた資金を趣味の充実や将来の投資に充てることができます。売却後の資金は、新しい趣味を始めるための投資や、生活の質を向上させるための家電購入にも利用可能です。このように、売却はお金の使い道に対して非常に柔軟性があり、他の目標を達成するための手段として有効です。
④環境への配慮
不要なオーディオ機器を廃棄することなく、再利用・リサイクルすることができる点もメリットです。環境に配慮した行動が求められる時代において、売却を通じて機器が新たなオーナーに使われることは、持続可能な社会に貢献することにもつながります。
7-2. 売却のデメリット
一方で、オーディオ機器を売却する際にはいくつかのデメリットやリスクもあります。売却を決断する前に、以下の点をよく考慮することが大切です。
①手放した機器を再購入できない可能性
売却したオーディオ機器は、その後再購入することが難しい場合もあります。特に、限定版やヴィンテージのオーディオ機器など、希少性のあるものを手放すと、後で同じものを見つけるのが難しくなることがあります。この点は、機器に対して思い入れが強い方にとっては、デメリットとして感じるかもしれません。
➁売却価格が予想より低い場合がある
オーディオ機器の市場価値は、状態や需要に大きく左右されます。売却時に期待していた価格よりも低い査定が出る場合もあります。特に、機器が古くなっていたり、傷や不具合がある場合は、査定額が予想外に低くなることもあるため、事前に市場価値を把握しておくことが重要です。
③売却の手間がかかることがある
オーディオ機器を売却するには、まず買取業者を選び、査定を受け、取引を進めるという一連の手続きが必要です。この手間が面倒だと感じることもあります。特に、機器が複数ある場合や、オンライン査定を利用する場合は、発送や梱包など、少し手間がかかることもあります。
④売却後に後悔する可能性
一度売却したオーディオ機器を再度使用したくなることもあります。特に、機器に思い入れがある場合や、使用感が気に入っていた場合は、売却後に後悔することがあるかもしれません。そのため、売却する前に本当に必要ないのか、慎重に考えることが大切です。
7-3. 売却前のアドバイス
オーディオ機器を売却する際には、事前にいくつかのアドバイスを押さえておくと、より良い取引ができるでしょう。
①市場価値を調べる
売却前に、機器の市場価値を調べておくと、適正な査定額を把握できます。インターネットで相場を調べたり、複数の業者に査定を依頼したりすることで、より納得のいく取引ができるでしょう。
➁売却を決断する前に本当に不要か再確認する
売却を決断する前に、機器が本当に不要なのか、再確認することが重要です。使わなくなったとはいえ、再度使用する可能性がある場合や、将来的に価値が上がる可能性がある機器を手放すのは、慎重に判断しましょう。
③売却手続きの詳細を確認する
売却手続きは業者によって異なるため、取引の流れや手数料、支払い方法などの詳細を確認しておくとスムーズに進みます。特に、査定額が気になる場合は、事前に業者に質問し、納得してから取引を進めるようにしましょう。
8.オーディオ機器の状態別買取ポイント
8-1. 完全な動作状態のオーディオ機器
最も高く評価されるのは、完全に動作するオーディオ機器です。新品同様の状態であれば、買取価格が高くなるのはもちろん、買取業者にとっても需要が高い商品となります。
①付属品や箱が揃っている
オーディオ機器が完全に動作している場合、付属品や元の箱、説明書が揃っているとさらに評価が上がります。これらのアイテムが揃っていると、中古市場でもより高い価格で取引されることが多く、購入者にとっても新品に近い状態で手に入れることができるため、価値が高く評価されます。
➁メンテナンス履歴がある
定期的にメンテナンスを受けていたオーディオ機器も、高い評価を受けます。例えば、スピーカーやアンプなどの内部メンテナンスが行われている場合、長く使用できると見なされ、査定額が高くなることがあります。もしメンテナンスを行った履歴があれば、その記録を提示することがポイントです。
8-2. 軽微な使用感があるオーディオ機器
軽微な使用感があるオーディオ機器も、状態に応じて良い価格が付くことがあります。外観に多少の擦り傷や汚れがある程度であれば、買取価格に大きな影響を与えることは少ないです。
①外装のキズや汚れ
スピーカーやヘッドフォン、アンプなどの外装に多少のキズや擦れがある場合、買取額が若干下がる可能性はあります。しかし、機能的には問題がない場合、買取業者は高評価を与えることが多いです。このような場合、査定を依頼する前に外装を綺麗に掃除しておくと、査定額が若干アップすることがあります。
➁付属品が欠けている場合
付属品(ケーブル、リモコン、説明書など)が一部欠けている場合、査定額が少し下がる可能性があります。しかし、動作に問題がない限り、買取業者は依然として高い評価を与えることが多いです。そのため、欠けている付属品については事前に確認し、可能であれば取り寄せることをおすすめします。
8-3. 動作不良があるオーディオ機器
動作不良があるオーディオ機器は、状態に応じて買取価格が大きく下がる可能性があります。しかし、完全に使えなくても、修理が可能な場合や特定の部品が必要な場合には、部分的に価値を見出してもらえることがあります。
①部品の交換や修理が可能な場合
動作不良があっても、修理や部品の交換で問題が解決できる場合、そのオーディオ機器は依然として買取対象となります。例えば、スピーカーのエンクロージャーにひびが入っていても、修理で元通りになる場合、査定額は大きく下がらないこともあります。そのため、動作不良があっても、修理が可能かどうかを確認してから売却を検討することをおすすめします。
➁完全に壊れている場合
完全に壊れてしまっている場合、例えばアンプがまったく動かない、スピーカーが音を出さないなどの状態では、買取額は大きく下がります。しかし、部品としての価値を見出してもらえる場合があるため、壊れていても一定の買取価格がつく可能性もあります。特に、メーカーやモデルによっては、壊れていても部品需要があることもありますので、諦めずに査定を依頼してみましょう。
8-4. 古いオーディオ機器
ヴィンテージやレトロなオーディオ機器は、特定のマーケットでは高い評価を受けることがあります。古い機器が必ずしも低価格で評価されるわけではなく、特に有名なブランドやモデル、あるいは市場での需要が高いものであれば、意外に高価で取引されることもあります。
①状態の良いヴィンテージ機器
ヴィンテージ機器や限定版、特別な仕様が施されたモデルは、特定のオーディオ愛好者にとって非常に価値のあるアイテムとなります。特に、良好な状態で保管されている機器は、人気の高いモデルであればプレミアム価格がつくこともあります。
➁劣化や破損が目立つ古い機器
一方で、古い機器でも劣化が進みすぎていたり、部品が欠損している場合、買取価格は低くなる可能性があります。ヴィンテージ機器が必ずしも高く売れるわけではなく、状態が悪ければ期待するような価格にはならないこともあるため、慎重に査定を受けることが重要です。
8-5. 壊れていない限り買取は可能
オーディオ機器の状態がどれほど悪くても、壊れていなければ多くの買取業者は買取対象として受け付けてくれます。動作不良や外観の問題があっても、状態に応じた査定を行い、買い取ってくれることが多いので、まずは査定を依頼してみる価値があります。
9.オーディオ機器買取のプロセスと注意点
9-1. 買取方法の種類と特徴
オーディオ機器の買取には、大きく分けて「店頭買取」「出張買取」「宅配買取」の3つの方法があります。各方法の特徴を理解し、自分に合った買取スタイルを選ぶことが重要です。
①店頭買取
最も一般的なのが店頭に持ち込んで査定を受ける方法です。その場で査定・現金化できる点が魅力ですが、大型のオーディオ機器を運ぶ手間があるため、持ち運びが可能な場合に適しています。
➁出張買取
買取業者が自宅に訪問し、その場で査定・引き取りを行うサービスです。大型機器や点数が多い場合に便利で、搬出の手間が省けます。予約が必要であり、エリアやスケジュールに制限がある場合があります。
③宅配買取
段ボールに商品を詰めて業者に送る方法で、時間や場所を選ばず手軽に利用できます。送料や査定料が無料の業者も多く、全国どこからでも対応可能な点が魅力です。ただし、支払いまでに日数がかかることもあります。
9-2. 査定前の準備とポイント
査定額をできるだけ高くするためには、事前の準備が非常に重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
①外観をきれいにする
ホコリや指紋、軽度の汚れがあるだけでも、査定時の印象に影響します。柔らかい布で軽く拭く、エアダスターで埃を除去するなど、簡単なクリーニングをしておくことで、見た目の印象が大きく変わります。
➁動作確認をしておく
通電・再生・音量調整など、基本的な動作を一通り確認し、問題がないかチェックしましょう。動作不良がある場合は、事前に伝えることでトラブルを避けられます。
③付属品を揃える
リモコン、ケーブル、マニュアル、元箱など、元の付属品が揃っていると査定額アップにつながります。特に純正の電源コードやスピーカーケーブルなどは評価の対象になるため、忘れずに準備しましょう。
9-3. 査定時の注意点
実際に査定を依頼する際には、次のような点に注意することで、より納得のいく買取が期待できます。
①相見積もりを取る
複数の買取業者に見積もりを依頼することで、価格の相場や業者ごとの違いが明確になります。とくに高額なオーディオ機器や希少モデルの場合は、価格差が大きく出ることもあるため、複数査定は非常に有効です。
➁査定内容の説明を確認する
査定額の内訳や減額理由など、査定内容についてきちんと説明してくれる業者を選びましょう。「なぜこの価格なのか」が明確であるほど、納得して売却を進めやすくなります。
③査定価格の保証制度の有無を確認
宅配買取の場合、事前査定額と実際の買取額が異なることがあります。あらかじめ価格保証制度があるかどうかを確認し、トラブルを防ぐようにしましょう。
9-4. 売却時の身分証明書と手続き
オーディオ機器に限らず、中古品の売却には身分証明書の提示が必要です。運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、公的機関発行の本人確認書類が求められるため、あらかじめ準備しておくとスムーズです。
また、宅配買取では、コピーを同封する必要がある場合もあるため、事前に業者の指示に従って対応しましょう。
まとめ:オーディオ機器を高く売るためのベストタイミングと戦略
1. ベストな売却タイミングとは?
オーディオ機器の売却において「いつ売るか」は大きなポイントです。タイミング次第で、数千円から数万円の差が出ることもあるため、以下の要素を押さえておくとよいでしょう。
①新製品の発表直前
新型モデルが発表されると、旧モデルの中古価格が一気に下がることがあります。特に年1回のペースで新商品をリリースしているブランド(例:YAMAHA、SONYなど)では、型落ちのモデルが一気に市場に流れ、買取価格が下落する傾向があります。発売サイクルを把握し、「発表される前」に売却するのが賢明です。
➁需要が高まる季節
年末年始、ボーナスシーズン(6月・12月)、引っ越しシーズン(3月・9月)、音楽鑑賞が盛んになる秋口などは、オーディオ機器の需要が一時的に高まる傾向があります。この時期には中古市場の流通も活発になり、買取価格が上昇するケースが多いため、狙い目です。
③劣化や陳腐化が進む前
長期間保管していたオーディオ機器は、たとえ未使用でも経年劣化によって性能が低下することがあります。また、デジタル技術の進化により、短期間で“時代遅れ”とされてしまうこともあります。使用頻度が減ったと感じたタイミングで、早めに売却することをおすすめします。
2. 高価買取を実現するための戦略
タイミングと並んで重要なのが、**「どう売るか」**という戦略です。買取価格に直結する具体的な戦術を以下にご紹介します。
①状態の維持と日頃の管理
高額査定の第一条件は、やはり「状態の良さ」です。定期的にホコリを除去する、直射日光の当たらない場所で保管する、湿気対策を行うなど、日頃から丁寧に扱うことで、長期間良好な状態を維持できます。
また、使用後にケーブルを外す・通電確認を定期的に行う・異音がないかチェックするといった細かなケアも、将来的な売却時に評価されるポイントになります。
➁ オーディオ専門の買取業者を選ぶ
家電全般を扱うリサイクルショップよりも、オーディオ専門の買取業者を利用する方が、確かな知識と相場理解に基づいた適正な査定が受けられる傾向があります。
特にマニア向けのブランド(Accuphase、LUXMAN、McIntoshなど)やヴィンテージ品の場合、専門知識のない業者では正当な価値を評価されにくく、相場より大幅に低い価格で提示されることもあります。専門業者では、モデルの特徴やパーツの希少性も査定対象に含まれるため、高価買取の期待が高まります。
③複数業者の査定を比較する
ひとつの業者に絞るのではなく、複数の買取業者に見積もりを依頼することで、より高い価格を引き出すことができます。現在では、オンラインでの一括査定サービスや、宅配買取に対応している業者も多く、時間や手間をかけずに相場を比較できる環境が整っています。
査定額だけでなく、「査定結果の丁寧さ」「応対の誠実さ」「入金までのスピード」といった観点でも比較して、総合的に満足できる業者を選ぶことが重要です。
④セット売りやキャンペーンの活用
複数のオーディオ機器(アンプ、プレーヤー、スピーカーなど)をセットで売ることで、査定額がアップするケースもあります。買取業者によっては「まとめ売りキャンペーン」や「高額査定アップキャンペーン」を実施していることもあるため、売却を検討している機器が複数ある場合は、時期を揃えて一括査定を依頼するとお得です。
3. 売るかどうか迷ったら…
「売りたいけれど、本当に価値があるのか不安」「使わなくなったけど捨てるには惜しい」と感じるオーディオ機器がある場合は、まずは査定を受けてみることをおすすめします。査定は無料であることがほとんどで、査定額を聞いてから売却するかどうかを決めることができます。
特に、予想よりも高額な査定がついたときは、大きな後押しになるでしょう。